歌手生活30周年おめでとう
前田憲男とウィンドブレイカーズが誕生したのが今から30年昔のことになる。丁度その頃「期待の新人歌手」と鳴り物入りで登場したのが「山岡未樹」。新人+ニュー・グループでCDを造ろうではないかというごくありきたりの発想から歴史に残る録音が行われた。爆発的な売り上げで多くの関係者を幸せ一杯にしたかどうかは、なにしろ30年も昔の話なのでよく憶えていない。順風万帆の歌手生活がつづく・・筈であったが、ある日突然にわれわれの前から姿を消してしまった。単身アメリカに渡り、向こうのミュージシャンを相手に積極的にレコーディングをおこなう等、波瀾万丈とも言える生きざまのごく一部を風の便りと聞き、元気で過ごしているかなぁと時折かんがえていたのであるが、30周年という旗を立てて突如われわれの前に帰って来た。再びレコーディングに挑戦したいということで、丁度われわれも30周年を迎えるので老骨に鞭打って参加した次第である。一口に30年というが、こりゃ相当な年月ですぞ。彼女の歌がどのように熟成されて来たかごゆっくりとご鑑賞ください。(前田憲男)
これは山岡未樹のベスト・アルバムだ!
成長しつづけるジャズ歌手、山岡未樹がアルバム・デビュ−30周年を記念しての録音で、初録音の時共演した、前田憲男とウィンドブレイカーズとの再会というのも大きな話題を呼ぶことだろう。
じつは山岡未樹のデビュー録音の1981年にウィンドブレイカーズが結成されている。今回の録音はお互いにデビュ−30周年ということで、歌も演奏も大いに盛り上がっている。お互いの再会を喜び楽しんでいる。山岡未樹の歌もこれまででいちばん力がこもっており、彼女の出来もこれまでで最高だ。スタンダーッド・ナンバーが中心だが、前田憲男の斬新な編曲を新しい装いの新鮮な歌となっている。全9曲のうち4曲が前田憲男とウィンドブレイカーズとの共演で、カルテットとの共演、トリオとの共演、そして前田憲男のピアノとのデュエットなど構成も非常に楽しい。今年の日本のジャズ歌手による最高作であろう。(岩浪洋三氏/ジャズ評論家)
チャーミングな唄声に酔いしれて・・・
デビュー以来30年、いつも新しい企画で意欲的なヴォーカル・アルバムを制作してきた山岡未樹が、その9枚目に、前田憲男とウィンドブレイカーズとの再会セッションを組んだ。最近は、アメリカのベニー・ゴルソンのプロデュースによるアメリカ録音を実施してきた彼女が、今回久方振りに日本の最高のビッグ・バンドと歌うことになったのは非常に嬉しい。あたかも嘗てのジューン・クリスティがラルフ・バーンズやアーティ・ペイチのアレンジしたウエスト・コースト・サウンドで歌った頃のモダンで一寸クールなボーカルを思い出させる。カルテット、トリオ、デュオとの組み合わせも含めて、バラエティに富んだ山岡未樹の現在の最高にチャーミングな唄声を聴いて欲しい。(瀬川昌久氏/ジャズ評論家) (infoより)
山岡未樹(Vocal)
前田憲男とウィンドブレイカーズ
前田憲男(p) 数原 晋(tp) 河東伸夫(tp) 西山健治(tb) 稲垣次郎(ts.fl) ハル斉藤(ts)
1. ジャスト・イン・タイム 2. サムワン・トゥ・ワッチ・オーバー・ミー 3. イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー 4. ウェン・オクトーバー・ゴーズ 5. デイ・バイ・デイ 6. ユー・ドント・ノウ・ワット・ラヴ・イズ 7. マイ・フーリッシュ・ハート 8. マイ・フェイバリット・シングス 9. アラウンド・ミッドナイト
(IMPEX RECORD/JAPAN) (2011年10月28日発売予定)⇒11月2日に延期になりました。 CD(SACD/HYBRID)