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ホーム日本のジャズ高野正幹EAST QUEST QUARTET /Where Is The One (CD) (GROOVE HEARTS)
商品詳細
サックス奏者として常に意欲的で活発な活動を続けている高野正幹が、久方ぶりにワンホーン・カルテットの新作アルバムを完成させた。
彼は1980年代、宮間利之とニューハードを皮切りに、猪俣猛ら有名ジャズメンとの共演を続け、2001年に初リーダーアルバム「Star-Crossed Lovers」を発表して、ソリストとしての高い評価を得た。以降毎年内外の有力ジャズメンと組んで国内ツアーやレコーディングを続け乍ら、自己のテナー・サックスやソプラノ・サックスのプレイの研鑚を積み重ねてきた。新アルバムは、いわば彼の長年に亘るプレイ研鑚の努力の集大成ともいえる意欲的レコーディングとなった。彼のテナー・プレイの研究には、一般的な技術の練磨を計る努力は勿論だが、もう一つ普通の楽器プレイヤーにはなかなか及びつかない目標がある。それは、彼が敬愛するデクスター・ゴードンやソニー・ロリンズを始め、数々の名プレイヤーたちの演奏を範とすると同時に、その原曲であるスタンダード歌曲について、曲の表現する歌の意味、即ち歌詞を十分に理解し、更にその曲を歌った名歌手たちのボーカルを聴き込んで、その歌唱フレーズを研究し、自己のテナー・プレイに吸収することである。彼は余暇を惜しんで、フランク・シナトラ、ビリー・ホリデイ、エラフィッツ・ジェラルド、ナット・キング・コールらの歌唱に徹底的に耳を傾け、研究を重ねた。その際、歌手たちのメロディ・フェイクを研究し、自分のサックスで歌と一緒に吹いて、タイミングやニュアンス、音色、ビブラート、ピッチのコントロールなどを譜面にすることなしに覚えていく、という作業を重ねた、という。その結果、これら名歌手たちの愛唱歌を集めて、尊敬する偉大なテナー・サックスのプレイヤーたちに捧げるというテーマで、このアルバムセッションを企画した。従って、レコーディングに際しては、信頼する気心の知れたピアノ・トリオのメンバーを集め、事前に各自に演奏曲目の歌詞を日本語にして渡し、曲の全体の意味を把握して貰うよう努めた。私は多くのテナー奏者を知っているが、レコーディングに際してここまで曲の表現に力を注ぐ人は他にいないだろう。収録曲は、オリジナル2曲を含めて12曲、1曲だけ日本の永六輔・中村八大コンビ「遠くへ行きたい」を入れた。彼の意図は、「ジャズにあまり接する事のない団塊の世代にジャズを親しんで貰う」ということで、この世代にライブハウスへ来て貰うことを自身の課題ともしている。このアルバムで高野正幹はテナー・サックスとソプラノ・サックスを吹いているが、彼のいう通り、まさに名曲を唄っている、といった方が適切だろう。もともとロリンズのような豪放なトーンも、また、ワーデル・グレイのような軽快なトーンも自在に出せる彼のこと、曲の歌い方によって音色もフレージングも変化させて、多彩な表現を仕上げているところが最大の聴きどころとなっている。 (ライナーより抜粋 / 2010.9.23記 瀬川昌久)


高野正幹(テナー・サックス、ソプラノ・サックス)
1955年佐賀県の生まれ。13才でアルト・サックスを始め、愛知学院大学のビッグバンドに入団、森剣治に師事、21才でスリーブラインドマイス(TBM)のレコーディングに参加。1981年宮間利之とニューハードの入団、内外のジャズフェスに参加後84年退団。90年より猪俣猛(ドラムス)と共演を重ねる。99年よりドラムレス・トリオを結成。一流奏者と組んで活動を続ける。2001年自己の「イースト・クエスト・カルテット」にホーンを加えて、初リーダーアルバム「Star-Crossed Lovers」を発売。03年河合代介とのオルガン・バンドを結成。04年田口悌治(ギター)とカルテットを結成、九州各地で活動。05年より度々九州のテディ金城クインテットに参加して、国内各地をツアー。06年ポップシンガーたちの「Pop Meets Jazz」コンサートのバンドリーダーとなり、自作のジャズアレンジによるCDとDVDに参加。08年山本剛(p)、水橋孝(b)とトリオで共演。09年名古屋ブルーノートで、ケン・バルデス(歌手)と共演。今回のアルバムレコーディングを記念したライブを企画中である。

青木弘武(ピアノ)
1953年滋賀県大津市生まれ。1978年大阪音大卒業後プロとなり、80年上京、大隅寿男トリオに参加し、その躍進の要となる。90年独立して自己のトリオを結成。明快なタッチと音色で躍動的な奏法を展開して人気を集め、有名奏者や歌手からの共演依頼も多い。09年自己トリオ(ジャンボ小野/b、ジーン重村/ds)によるアルバム「Wedding II」を完成して好評を得る。

ジャンボ小野(ベース)
1954年東京生まれ。高校卒業後ウッドベース理論を学んで活動を始め、以来今日まで多くのアメリカのピアニスト始め著名グループに参加して活発な演奏活動を継続中。美しい音色と正確な音程に定評がある。

ジーン重村(ドラムス)
1973年大阪出身。14才よりドラムを始め、上京後海老沢一博に師事。2004年よりNHK「夢りんりん丸」に出演。MALTA始め著名ジャズメンと共演を続けている。幅広い音楽性を持ち、ジャズ、ラテン、ファンク、ポップスのライブやスタジオに参加。安定したリズムと繊細且つ大胆なドラミングに信望を集める。

01. Mr DG (Masamiki Takano) / 02. The Good Life (Sacha Distel) / 03. The End of Love Affair (Edward C. Redding)/ 04. Where Is The One (Alec Wilder, Edwin Finckel) / 05. How Little We Know (Phillip Springer) / 06. No Moon At All (Reed Evans & Dave Mann) / 07. This Is All I Ask (Gordon Jenkins) / 08. Blues In The Pocket (Masamiki Takano) / 09. I Remember When (Sidney Bechet) / 10. Far, Far, Away From Home (Hachidai Nakamura) / 11. Time Was (S. K. Russell, Miguel Prado) / 12. I'm A Fool To Want You (Jack Wolf, Joel Herron, Frank Sinatra)
2010年6月14, 15日録音。
(GROOVE HEARTS)

高野正幹EAST QUEST QUARTET /Where Is The One (CD) (GROOVE HEARTS)

販売価格: 3,000円(税込)
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