1950 年代からプロとして活動し、今や70年のキャリアを持つ今田勝。
ハードバップからフュージョンまで第一線で駆け抜け、リーダー作は実に30タイトルを超える。名実ともに日本を代表するピアニストのひとりである。
力強くもふくよかなタッチから生まれる、聴く者の感情を心地よく揺さぶるサウンド。その原点とも言えるのがファースト・アルバムである本作『Maki』だ。トリオ、もしくはワン・ホーン・カルテットによる演奏は、あまりにも瑞々しく美しい。
丁寧に紡がれる「Autumn Leaves」、躍動感のある「On Green Dolphin Street」、野心作とも言える「Gad」、愛娘に捧げられたバラード「Maki」、ホットとクールが同居する「Sea Horse」。スタンダードからオリジナルまで、全編で存分にその才を発揮している。
ビクター<日本のジャズ>シリーズの1枚としてリリースされた、紛うことなきマスターピースである。
text by 尾川雄介 (UNIVERSOUNDS / DEEP JAZZ REALITY)
トラックリスト:
Side A
1. Autumn Leaves
2. On Green Dolphin Street
3. Gad
Side B
1. Maki
2. Sea Horse
(VICTOR) NJS-798 発売日 2024年10月30日(水)