現代テナー・サックス界の最高峰に立つジョー・ロヴァーノの2019年にECMデビューしたTrio Tapestryの2年ぶり3作目!
ジョー・ロヴァーノはエルヴィン・ジョーンズに認められ、'76年にニューヨークに進出し、ウディ・ハーマン・オーケストラ、メル・ルイス・ジャズ・オーケストラ、ポール・モチアン・グループなどで演奏し高い評価を得、1990年にブルーノートと契約し数々のリーダー作を発表し、現代テナー・サックスの王者として君臨し続けてきたが、彼は2019年にマリリン・クリスペル(p)、カルメン・カスタルディ(ds)とのトリオで2019年にデビュー・アルバム『Trio Tapestry』をECMからリリース、各ジャズ評で絶賛を受けた。その後トリオの2枚目『Garden of Expression』を2021年にリリース、更にレベルが引き上げられ、その強烈な集中力が際立つ録音となり、彼らならではの新鮮、かつ美しい室内楽的ジャズは確立された。
2年ぶり3枚目となる本作『Our Daily Bread』も、広々とした叙情的なアプローチを持ち、深いリスニングと集中力がこれまで以上に拡張されている作品だ。ロヴァーノは、自身のライナーノートで、「本作は音楽の神秘的な世界を投影する表現のリズム・スピリットによって推進されています。」と書いている。優雅で流動的な曲や浮遊するバラードが、まさに魂の歌のように感じられる作品に仕上がった。
BBC Music Magazineはトリオ・タペストリーについて、「ロヴァーノのテーマとハーモニーは豊かな可能性を提供する。そしてトリオは美しく演奏を深め、メロディやハーモニーを開発するだけでなく、テクスチャーやムードを探求しています」と評している。
マリリン・クリスペルはこの音楽に最適なピアニストで、現代の室内楽とコルトレーン以降の即興演奏の両方に敏感な感性で、この音楽の展開に合わせてオーケストレーションを行う。またドラマー、カルメン・カスタルディは、10代の頃からロヴァーノと親交があり、シンバルの詩的なタッチで音楽を彩り、ジョー自身と同様にゴングから花のような響きを引き出している。プログラムの中盤、ロヴァーノはチャーリー・ヘイデンへのトリビュートとして、ブルージーな「ワン・フォー・チャーリー」をテナー・ソロで演奏しているのも聴きどころの一つだ。
SIDEA
01.All Twelve
02.Grace Notes
03.Le Petit Opportun
04.Our Daily Bread
SIDEB
01.One For Charlie
02.The Power Of Three
03.Rhythm Spirit
04.Crystal Ball
(ECM/GERMANY) 4877747 LP