★1970年代から80年代半ばにかけて、ハンブルグ及び、ドイツ全土のジャズ・シーンの中心を占めていた名クラブ、“Onkel Pö’s Carnegie Hall”でのライヴ音源を作品化するシリーズ。本作は、81年、エルヴィン・ジョーンズのライヴを2枚組に収録。メンバーには、日本が誇る名ピアニスト辛島文雄が参加しています。
★エルヴィン・ジョーンズのレギュラー・コンボである<ジャズ・マシーン>は、80年6月に来日。新宿及び六本木のピットインでライヴが行われ、辛島氏も参加。その後、氏は渡米して、同グループの正式メンバーになり、86年まで在籍しています。
★このライヴは、81年9月22日の録音。つまりこのメンバーとしては初期のもの。しかし、セクステットの中で、エルヴィン、辛島、そしてベースのアンディ・マクラウドは78年にトリオで録音し、『Moonflower』として作品もリリースしているメンバー。その時から様々なことを経て3年。グループとしての演奏は、それぞれに変貌も遂げ、申し分ないものがあります。
★その勢いは、オープニングの「Elvin Jones Blues」から明らかなもの。またおなじみの「Doll Of The Bridge(花嫁人形)」では、演奏時間が30分以上に及び、エルヴィンのドラム・ソロが炸裂するほか、ギターが奏でるテーマのメロディ、ピアノのハーモニー、そしてどことなく演歌的なコブシもミックスされた二管のリフが得もいえぬエキゾチズムを醸し出します。一方、「In a Sentimental Mood」や「My One And Only Love」のようなバラードも演奏。双方とも、繊細さとしなやかさをもったピアノのイントロが導き出す美しさはパワーみなぎるグループのサウンドと鮮やかなコントラストを見せ、ジャズの浪漫を感じさせています。そして、「Friday Waltz」の演奏も。これは、辛島氏の楽曲であり、78年の『Moonflower』でも演奏された曲。観客の盛り上がりにも熱いものが感じられます。
CD 1
1 Elvin Jones Blues (20:11)
2 In A Sentimental Mood (15:51)
3 Doll Of The Bridge (30:53)
CD 2
1 George And Me (22:02)
2 My One And Only Love (15:18)
3 Antigua (20:01)
4 Friday Night (9:19)
(録音) 1981年9月22日 ドイツハンブルグ オンケル・ポー・カーネギー・ホール(全曲初登場発掘音源)
Carter Jefferson(sax)
Dwayne Armstrong(sax)
Fumio Karashima(p)
Marvin Horne(g)
Andy Mccloud(b)
Elvin Jones(ds)
(JAZZLINE/GERMANY) 2CD N-77041