優美なタッチと、心温まる柔和な表現。フランスのピアノ職人、セルジュ・デラートが奏でる極上スタンダード。聴きやすさの中に奥深さもある、まさにSWEET AND BITTER
私がピアノ・トリオの魅力に心奪われたのは、思えば本作のピアニスト、Serge Delaiteがきっかけでした。ジャズを聴き始めて間もない頃、1作目「LOOKIN’ UP」を聴いたときの感動は今でも忘れられません。それからコンスタントに澤野工房からリリースを続けるSerge 。なんと、本作で12枚目になりました。澤野サウンドを代表するピアニストの1人であるSergeの魅力は、何と言ってもその優美なタッチと、心温まる柔和な表現でしょう。
今回は、繊細な美しさが感動ものの I Fall in Love Too Easily (Tr.11)など、いつにも増して魅力的なナンバーが揃っています。気心知れたベーシスト、Pascal Combeauのチャチャチャのリズムが楽しい Amazonas (Tr.04)。長年トリオを組んできたJean-Marc Lajudieのドラムが小気味よい ’Round Midnight (Tr.05)。4拍子のアレンジが新鮮な Take Five (Tr.01)。などなど、Great American Songbook(いわゆる歌もの)と、ジャズメンオリジナルの、選曲バランスの良さは流石の一言。聴きやすいけれども、確かな奥深さもある、まさにSweet and Bitterな作品に仕上がっています。
Sergeの音楽を聴けば、今日も何か良いことが起こりそうだな、とウキウキすること間違い無し。皆様も是非、本作とともにリラックスした時間をお過ごし下さい。Text by 箕輪 昌裕氏
FEATURED ARTISTS
Serge Delaite : piano
Pascal Combeau : bass
Jean-Marc Lajudie : drums
01. Take Five
02. It Could Happen to You
03. Lover Man
04. Amazonas
05. ’Round Midnight
06. St. Louis Blues
07. Hi Fly
08. Step Lightly
09. My One and Only Love
10. Minor Mishap
11. I Fall in Love Too Easily
12. That’s All
(澤野工房) (2018年6月22日発売)