88 年ヴィレッジ・ヴァンガード未発表音源CD 化!バスター・ウィリアムス*アル・フォスターという鉄壁のリズムも迎えた職人的カルテットの名演5曲を収録
1941 年生まれ、現在70 代半ばを過ぎたベテラン・リード奏者、エディ・ダニエルズと、同世代1939 年生まれの名ピアニスト、ロジャー・キャラウェイの88 年ヴィレッジ・ヴァンガードでの未発表ライヴ音源。双方とも、決して派手ではなく、過小評価に甘んじてきた傾向にありますが、2 人の演奏歴は何より、真のミュージシャンであることを物語っています。ロジャー・キャラウェイは、66 年にニューポート・ユース・バンドに参加。
ジュリアード音楽院在学中の66 年5 月には、ウィーンで開催された国際ジャズ・コンテストのサックス部門で第一位を獲得し、それがきっかけになって、66 年から6 年間、名門サド・ジョーンズ= メル・ルイス・オーケストラにレギュラー参加。84 年にGRPと契約した時には、既に40 歳となっていましたが、クラリネット奏者として、古くベニー・グッドマン、アーティ・ショウから、バディ・デフランコといったアーティストの延長線上のアーティストとして歴史に名を残すことは間違いないでしょう。一方、ロジャー・キャラウェイは、ニューイングランド・コンサヴァトリーでピアノ、ベースを演奏した後、ジミー・マクパートランドと楽旅。その後アル・コーン/ズート・シムズの名バンド他、ベン・ウェブスター、ウェス・モンゴメリー、ソニー・ロリンズといったバンドで活躍。また66 年にはLA に拠点を移し、あのドン・エリスの革新的なオーケストラでも活躍。
名バンドを影に日向に支えてきたことが物語られますが、本年はロバータ・ガンバリーニのバンドで来日。ジョージ・ケイブルスの代役として急遽でもあったものの、すばらしい演奏で、日本のファンに鮮烈な印象を残したことも記憶に新しいところです。本作はそんな二人に、バスター・ウィリアムズ~アル・フォスターといった鉄壁のリズム・セクションが組んだ名演奏のCD化。この88 年、キャラウェイは、エディ・ダニエルズの『Memos from Paradise』(GRP) でベスト・インストルメンタル・アレンジメント部門でグラミー賞にも輝いており、メンバーは充実の時を迎えていましたが、魅力は収録された5曲がそれぞれ、異なった個性を持っていることでもあります。
作品はキャラウェイのスロー・スウィングの楽曲でゆったりと幕をあげたのち、クラリネットの木管の響きのロマンティックな美しいバラードがあったかと思うと、3 曲目は、バロック的なフレージングも用いながら、サンバのリズムが交錯。一方、タイトルトラックの4 曲目のような言わずと知れた名スタンダードも楽しく演奏したかと思うと、ラストは超 超絶の演奏・・・・!クラリネットとピアノが高速のフレーズをユニゾンで進んで行くところが、まず驚愕的ですが、ウィリアムス~アル・フォスターというリズムだからこそのリズムのプッシュもあって繰り出される演奏は華麗の一言です。
Resonanceのファウンダーであり、ビル・エヴァンスや、サド・メルの録音も手がけたジョージ・クラヴィンによるレコーディング!
メンバー4人それぞれが職人で、お互いをリスペクトしているところも印象的です!
Eddie Daniels(cl), Roger Kellaway(p), Buster Williams(b), Al Foster(ds)
1. Some of this, Some of that (9:28)
2. Reverie for a Rainy Day (5:35)
3. Wolfie's Samba (9:09)
4. Just Friends (17:35)
5. Spice Man (16:34)
(RESONANCE/USA)