次の休日には、あの歌とピアノを聴きにいこう。きっと心が晴れるから……ほわりスイング、優しいリズム、そこで見つけた素敵な「LOVE」。
いやぁ、いいなー。マリエルとヨスの3作目。肩ひじの張らない歌に、スイングするゴキゲンなピアノ……とくれば、もうこれはジャズヴォーカルの理想盤。聴けば誰もが親しみを持つのではないでしょうか?ご存じの方も多いと思いますが、マリエルとヨスはオランダ人のご夫婦。気心の知れたといえば、これ以上気心の知れた関係はないという位の、プライベートでも音楽でものパートナー。自然体でとにかく歌うのが好き!という気持ちがあたたかく伝わってくる13曲なのです。
サンバとスイングがどこかでまざったようなTr.1「Everything I've Got」で始まって、どの曲も素敵だけど、スローテンポで語るように聴かせるサッチモの名曲Tr.2「What a Wonderful World」。小粋なスタンダードのTr.5「Can't We Be Friends」、ジャイブ感溢れるTr.8「The Frim Fram Sauce」とTr.10「I'm Old Fashioned」。お得意のジョビン曲、Tr.11「Dindi」でのピアノの美しさ…などなど。マリエル、そしてヨスらしいセンスの、ほほ笑ましい曲がどんどん出てきます(ジャケットもかわいい!)。最後のTr.13「Two Sleepy People」は歌とピアノでしんみりする、とってもいい仕上がり。
ここでなんとなく、いつだったかの来日時に私どもが働いているCDショップに買い物に来てくれて、棚を見て「オスカー・ピーターソンがこんなにある」とか「アン・バートンが……」なんてことを話しながら、二人で楽しそうに過ごしていた姿を思い出したのでした。アルバムタイトルの「Speaking of Love」。これってマリエルとヨスの生き方なのかも知れませんね。
Text by 神尾 孝弥
FEATURED ARTISTS
Mariëlle Koeman : vocal
Jos van Beest : piano
Eric Schoonderwoerd : bass
Nanning van Der Hoop : drums
Walther de Graaff : guitar
CD]
1.Everything I've got
2.What a wonderfull world
3.My kinda love
4.Tea for two
5.Can't we be friends
6.Two for the road
7.Falando de amor "Speaking of love"
8.The frim fram sauce
9.So many stars
10.I'm old fashioned
11.Dindi
12.Almost like being in love
13.Two sleepy people
澤野工房 AS092 2009年11月27日発売