横浜の名門老舗ジャズ喫茶『ちぐさ』より若手に贈る『ちぐさ賞』
第一回受賞者、金本麻里がバップバンドを従えて歌うスタンダード集。すさまじいまでの表現力と歌唱力、待望のサード・アルバム完成!
金本麻里 (vo)
村田浩 (tp)、岡田嘉満 (ts)
紅野智彦 (p)、矢野信行 (b)
宮岡慶太 (ds)
プロデューサー・照井顕
1. キャラバン
2. センチメンタル・ジャーニー
3. ハイ・ハウ・ザ・ムーン
4. シャレード
5. この素晴らしき世界
6. アラバマに星落ちて
7. ザ・マン・アイ・ラブ
8. 聖者の行進
9. 希望
10. ルート66
(JOHNNY’S DISC RECORDDS)
<ジャズボーカルに新生面を開く麻里とバップバンドの共演>
金本麻里のボーカルとバップバンドのジャズ、こんな素晴らしいコンビがあったのか?流石はジョニーの企画だ。
もともと金本麻里の人並み外れた声量とパワーは、通常の伴奏では生かし切れない。クリフォード・ブラウン一筋の村田浩のバップバンドとの共演で、初めて麻里の本領が発揮された。
CDアルバムのオープニング“Caravan”のイントロ、村田(tp)と岡田(ts)2管のリズミックなアンサンブルにのって始まる麻里の力強いボーカルを聴いただけで、快哉を叫びたくなる。以下“How High The Moon”“When The Saints Go Marching In”“Route66”などバップバンドメンバーのプレイと麻里の唄声が完全に一体化して、ハードバップの楽しさを満喫させる。
一方美しいスローバラードの共演も聴き逃せない。“Sentimental Journey”
“Charade”“アラバマに星落ちて”などのポピュラーなスタンダード・メロデイがバンドのソロプレイでしっとりと奏されて、麻里の抑制された美声に寄り添って、曲の味合いを深める。
サッチモの名演“この素晴らしき世界”は村田のtpプレイと麻里の唄との絶妙のデュエットが聴きものだ。
そして穐吉敏子作曲、谷川俊太郎作詞の名曲“Hope”に、麻里が初めて公式に挑戦した。この神秘的な曲調の成否は、聴くほうの判断に任せたい。
いずれにせよ、バップバンドと金本麻里の出会いは、同じような企画の多い日本ジャズボーカル界に新生面をもたらす意欲作だ。 瀬川昌久氏
金本麻里
2011年3月に穐吉敏子作曲/谷川俊太郎作詞の『HOPE』を歌い、ジョニーズディスクよりアルバム『ホープガール』でデビュー。
2013年には、横浜にある日本既存最古のジャズ喫茶『ちぐさ』が制定した、若手ジャズミュージシャンに贈られる『ちぐさ賞』の第1回目を受賞!2014年3月、ちぐさレコードより、LP&CD『Sings JAZZ STANDARD with Masaru Imada Trio』を発売し、注目を集める。
盛岡から東北を中心に、関東方面で活動中Yを拠点に活躍。