ダーン・ハーウェグの紹介において、カロ・エメラルドのピアニスト、コンポーザーという肩書きは、今後不要になるのかも知れない。それ程この初リーダー作“LUCID MUSINGS”は彼のジャズ・ピアニストとしての尋常ではない力量と才能を証明してしまった。全編に渡ってピリピリした空気の正真正銘のジャズ・アルバムでありながら、普遍的な甘い癒しのメロディに満ちている。彼の作法は過剰なほどにジャズの伝統に対してリスペクトを感じさせるものであり、徹頭徹尾シリアスな態度で、一ピアニストとしての渾身の力をこのデビュー作に込めた事が伺える内容だ。冒頭の“Cupid's Game Theory”から、ジャズ特有の静謐で論理的なヴィジョンで空間が満たされる中、時折見せる逸脱と見事な着地がとにかく素晴らしい。 羽根智敬 (帯ライナーより抜粋)
Dan Herweg(p),Pat Cleaver(b),Tuur Moens(ds)
1. Cupid'S Game Theory
2. The Art Of Getting Carried Away
3. Crooked Tango
4. Stop And Think
5. Noblesse Oblige
6. Turnaround
7. Conversations
8. Song For C
9. A Flower Is A Lovesome Thing
2014年11月26日(水)発売