このアルバムは、ライブ・スタジオとともに、私の店『ハァーミットドルフィン』で録音された。メインのレコーディングは、ウォーミングアップというにはあまりにも熱いライブの翌日に行われ、場所の制約もあって、演奏の一体感・ライブ感を重視してあえてセパレーションをとらないセッティングをとった。ほとんどの曲が1テイクでOKとなったことからも、このバンドの充実ぶり、メンバー相互の信頼感の強さがうかがえる。
前作から5年の間に彼は30代となり、自らの思いやフィーリングを音に変えるテクニック(ドラム技術的にもプロデュース能力的にも)を、飛躍的に伸ばした。何でも表現できるようになった時、ジャズミュージシャンが対峙しなければならないのは、『自分が何を歌いたいのか、何を伝えたいのか』という深〜い命題だ。そして、これに真摯に向き合った答えが、この『THROUGH AND DRAW』に凝縮されている。そんな気にさせてくれる一枚である。
(※ライナーより抜粋:壇和男氏 HERMIT DOLPHIN 店主) (infoより)
力武誠(ds), 浜崎航(ts, fl), 荒武裕一朗(p), 生沼邦夫(b)
1.THE SLAP MAN 2.IN A LIGHT MOOD 3.IN SOLITUDE 4.PRECIOUS 5.AZALEA
6.32 7.NICO'S SMILE 8.THROUGH AND DRAW 9.SUNSET 10.雪解け水
2007年1月29、30日、浜松「HERMIT DOLPHIN」にて録音
(四ッ池ミュゼクラブ)