2010 年決定的一枚!ハーシュ奇跡の復活作穏やか、シンプル、でも極上の深みを湛えたどこを切っても美しい演奏
待望!!奇跡の復活から、待ちに待ったスタジオ録音でのトリオ作!です。一時は昏睡状態にまでなって、再起は不可能とまで言われていたフレッド・ハーシュ。生死の境から復帰しての最初の練習はオクターブ練習だったとか・・最初は思うように手も動かなかったとのお話。ピアノと共に生きたアーティストにとって、それがどんなギャップだったかは、想像を絶するものだったと思われます。しかし、”ただピアノに向かえるだけで幸せ”という日々を重ねて至ったこの録音は、そんな病など微塵も感じさせないものなのですから、心底驚きです。そして、本作は、ある種のシリアスさを乗り越えた境地があると感じます。一聴して、耳触り良く、美しくシンプルに響くピアノ。それでいて、音楽的な蓄積がジワリジワリと来る音。
この所のハーシュの演奏といえば、限りある命を意識してか、美しさの中に、ピンとはりつめた緊迫感が凄みになっていましたが、本作は、一命を得たものの境地なのでしょうか?全編にはある種の穏やかさを感じます。ブラッド・メルドウの先生でもあり、クラシックの世界から、ストライド、スウィング、モダン、そしてアヴァン的なアプローチまで、88 鍵を追究したアーティスト。各曲からは、それぞれのスタイルが、フレッド・ハーシュという人の感性で融合されて、どこを切っても美しい世界を聴くことができます。体は病で侵されたとしても音楽は失われることがなかった。その奇跡にも感謝。スタイルや好みを超えて、またピアノ・トリオ・ファンのみならず、多くの方の心に必ず響くと感じる確かな世界。 2010 年の決定的一枚です。(infoより)
Fred Hersch(p), John Hebert(b), Eric McPherson(ds)
1. You’re my everything 2. Snow is falling 3. Blue midnight 4. Skipping 5. Mandevilla 6. When your Lover has gone 7. Whirl 8. Sad Poet 9. Mrs. Parker of K.C. 10. Still Here
(digipack) (PALMETTO