吹き込みは1958年12月。今さら言うまでもないが、それはアート・ブレイキー率いるジャズ・メッセンジャーズのフランス初登場時である。ヘイゼル・スコットが客席でギャアギャア騒いでいる“MOANIN'”が録音されたのもこの時のライブだ。メチャクチャもの凄い演奏をばんばん演っている。脂も乗り切ったクロマグロのようなとんでもないジャズの巨星、それがパリのメッセンジャーズだった。
どういう経緯でこのアルバムが製作されたか、不勉強で分からないが、どう見てもCOLUMBIAサイドがその公演中に、ご当地トランペッターであるゲランを、ゴルソン&ティモンズと共演させる企画を持ち込んだとしか考えられない。しかも、ゴルソン曲3、ティモンズ曲1を「録音させていただく」。フランス人のみにとっての「夢の共演」の実現だ (自分で書いていて言うのもなんだが、意地悪やな・・・)。
これがワールド・ワイドに評価されなかったことは、ビッグ・ネームが参加しているにも関わらず、オリジナルはレア・アイテムとなり、まともに復刻もされなかった事実からも明らかだろう。(ライナーノーツより Text by 北見 柊氏)
Roger Guerin(tp) Benny Golson(ts) Bobby Timmons(p) Pierre Michelot(b) Christian Garros(ds) Michel Hausser(vib) Martial Solal(p)
録音年:1958年